目次に戻る  TOPページに戻る
 
 
 
7.処 理 条 件
 
  バレル研磨においては前項で述べた機種・メディア・コンパウンドの選定の他に、更に研磨目的を充分に発揮する為の各種の条件があるので、
 
  順を追って説明します。
 
 
  7−1 メディア・ワーク及び水等を総合した装填量
 
    回転バレルの場合  バレル容量の50〜70%
 
    振動バレルの場合  バレル容量の75〜85%
 
    遠心バレルの場合  バレル容量の85〜90%
 
     ※ この装填量はワークの多少に関わらず維持する必要があります。
 
     ※ 回転バレルや振動バレルの場合、極端に装填量が少なくなると研削効果を全く発揮しない場合もあります。
 
     ※ 遠心バレルの場合、一般的に装填量を少なくすると研削力は上がりますが、仕上がりは悪くなります。
 
 
  7−2 ワークとメディアの投入比率
 
    ワークとメディアの投入比率が不適当であると、研磨効果を充分に発揮できなかったり、
 
    ワークに変形・傷等が発生したり、バリ・カエリが除去されない場合もあります。
 
                                   メディア:ワーク
 
    普通、鉄鋼部品等の粗研磨(バリ取り等)の場合  3:1〜 5:1
 
    鉄鋼部品の表面研磨、あるいは非鉄金属の場合  5:1〜10:1
 
    仕上げ研磨、平滑仕上げ、光沢研磨等の場合   10:1〜20:1
 
    ※自重の重いワークや変形しやすいワーク、あるいは精密仕上げの場合、更にメディアとワークの投入比率が大きく開く場合があります。
 
 
  7−3 回転数・振動数
 
    回転数あるいは振動数(あるいは振幅)はワークの材質・形状・研磨目的等によって決定します。
 
    一般には回転数あるいは振動数とも、大きい方がバリ・カエリ取り等粗研磨に、小さい方が仕上げ研磨に適しています。
 
 
  7−4 注  水  量
 
    注水量については、使用するコンパウンド・装填量・研磨目的によって異なるので一概にはいえませんが、
 
    一般に回転バレルの場合は若干水量が多い方が研磨効果を上げられます。
 
    振動バレルの場合回転バレルの20〜25%位が適当とされており、水の量が多いと流動運動が全く行われず、従って研磨効果を発揮
 
    しない場合もあります。
 
    遠心バレルの場は回転バレルよりやや多めに入れた方が、変形や傷の発生が無く、良い仕上がりが得られます。
 
 
  7−5 運転時間(作業時間)
 
    運転時間(作業時間)は使用する機種・ワークの処理前の状態・材質・研磨目的によって異なりますが、脱脂・洗浄・スケール除去に
 
    強酸性コンパウンドを使用したり、光沢研磨等の場合はあまり長時間にしない方が望ましいです。同一部品を同一条件(メディア・
 
    コンパウンド等)で作業する場合、一般に下記程度の運転時間の差異があります。
 
 
    振動バレル  回転バレルの1/2〜1/5位
 
    遠心バレル  回転バレルの1/5〜1/20、
 
             振動バレルの1/2〜1/10位
 
 
    しかし時としては遠心バレルが、回転バレルの1/50あるいは1/100といった全く比較にならない程の研磨効果を発揮する場合もあります。
 
 
  7−6 コンパウンド(媒剤)の添加量
 
    一般に振動バレルが最も添加量が少なく、遠心バレルが最も多い添加量となります。しかし加工時間が長くかかる場合には基準値よりも
 
    多めに添加しなければ仕上がりが悪くなる場合があります。
 
 
  7−7 メディアの大きさ
 
    一般的に重切削、バリ・カエリ取り、スケール除去等の場合は大きなメディアを、光沢研磨、艶出し、平滑仕上げ等の場合には小さい
 
    メディアを使用した方がより効果的ですが、ワークの材質・形状・寸法及び研磨目的等を充分に検討し、研磨効果もよく且つメディア
 
    とワークの選別も容易な物を選定して下さい。またメディアは単一種類で使用するばかりでなく、2種類以上のメディアを混合して、
 
    ワークの孔・溝部分の仕上げに、あるいはギア・ビニヨン類の仕上げに使用する事もあります。
 
 
  7−8 そ  の  他
 
    以上がバレル研磨作業における処理条件の概要ですが、この他に以下のような事に留意して下さい。
 
      ・バレル研磨の前処理作業として、ワークの脱脂洗浄を行う事。
 
      ・バレル研磨の後処理作業として、ワークの防錆処理及び乾燥を完全にする事。
 
      ・メディアの研磨効果の低下を防止する為、時々メディアの洗浄を行う事。