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8.バレル研磨における問題と解決法
 
 
  以上がバレル研磨に関する概要説明であり、ここまでの知識があればバレル研磨法を採用して生産工程に乗せる事ができますが、実際に
 
  バレル研磨作業を行っていると、種々の問題が発生し解決に苦慮する事があります。ここに一般的に発生しやすい諸問題と、その解決法に
 
  ついて簡単に説明します。
 
 
  8−1 ワークに傷あるいは打痕がついたり、変形したりする

    原 因









    解決法












 

・機械の回転数または振動数・振幅が大きすぎる。

・メディアが大きすぎたり、あるいは比重が重すぎる。

・メディアの材質が不適当である。

・メディアとワークの投入比率が小さい。

・装填量が少ない(主に遠心バレルの場合)。

・機械の回転数または振動数・振幅を小さくする。

・メディアを小さいもの、あるいは比重の軽いものに変える。

・メディアを軽切削用あるいはプラスティックメディア等に変えてみる。

・メディアとワークの投入比率を大きくする。

・装填量を多くする。

・水の量を増やしてミス。

・粗研磨が目的であっても仕上げ用のコンパウンドを使用する。
 
 
  8−2 バレル研磨後のワークの表面が黒ずんでいる

    原 因







    解決法




























 

・バレル研磨前の脱脂洗浄が不充分である。

・メディアが汚れている。

・コンパウンドが不適当である。

・研磨時間が長くかかりすぎる。

・バレル研磨前に脱脂洗浄用のコンパウンドで充分に洗浄するか、油分が多い場合は溶剤洗浄をする等、

 前処理洗浄を充分にする。

・メディアをバレル内で共擂りしながら、脱脂洗浄用コンパウンドを添加し15〜20分位回転させて洗浄する。

・コンパウンドを適正なものに変える。

・研磨時間については、通常下記の時間を超えるとどんな部品でも黒ずんできます。

   回転バレルの場合  6〜8時間

   振動バレルの場合  2時間

   遠心バレルの場合  1時間

 従って長時間運転が予想される場合は次の処置をとって下さい。

   a)コンパウンドを基準値より多めに入れる。

   b)回転バレルで光沢研磨を行う場合、回転数を少なくする。

   c)水を多めにする。

 最も理想的な方法は、作業性は悪くなりますが、一定時間運転後一旦機械の運転を停止し、バレル内のメディアとワークを

 洗浄し、新たにコンパウンドを添加してから作業を続ける方法です。

・黒ずんだ部品は脱脂洗浄用コンパウンドを使用して10〜15分位洗浄すると白く戻す事ができます。
 
 
  8−3 機械を長時間運転させても一向に研磨効果が表れない

    原 因











    解決法
















 

・メディアが不適当である。

・装填量が極端に小さい。

・メディアとワークの投入比率が小さい。

・メディアが汚れている(目詰まり等が発生している)。

・回転数が不適当である。

・水の量が多すぎる。

・メディアを適当のものと取り替える。

  a)バリ取りの場合は比較的大きなサイズに。

  b)光沢研磨の場合は比較的小さなサイズに。

・メディアを投入し、適正な装填量まで引き上げる。

・メディアとワークの投入比率を大きくする。

・メディアをバレル内で共擂りしながら、脱脂洗浄用コンパウンドを添加し15〜20分位回転させて洗浄する。

・回転を適正に変える(バリ取りなら高速に、光沢なら低速に)。

・余分の水を排出する。

・コンパウンドを適正なものに変える。
 
 
  8−4 ワークにシミが発生する

    原 因





    解決法











 

・機械の運転が停止した後、長時間ワークをバレル内に放置しておいた。

・バレル研磨後の乾燥が不充分なままで乾燥した。

・不適当なコンパウンドを使用した。

・機械の運転が停止したらなるべく早くバレル内のメディアとワークを排出し、充分に洗浄する事。ただし夜間を通しての

 運転等でタイマーの関係によりやむを得ざる場合は、そのままの状態で再度機械運転を20〜30分運転した後で、

 上記のように排出し、後処理を充分に行う事。


 ※ 特に機械の運転停止後、バレルの二等を開放したままで放置しない事。

・水洗いを充分に行い、防錆処理等を施してから乾燥させる。

・適正なコンパウンドに変える。